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ツァスタバ M70(、)とは、ユーゴスラビア(セルビア)のツァスタバ・アームズでライセンス生産されたAK-47およびAKMの派生形である。以後、M70と呼称する。 メーカー名について、日本では慣用的に「ツァスタバ」と呼ばれるが、より原音に近い表記は「ザスタヴァ」または「ザスタバ」である。 == 概要 == M70の基本的な外見や作動メカニズムは、オリジナルのAK-47やAKMと殆ど変わらない。しかし、独自の改良を施されており、それらの特徴的な部分によって、ソ連製や他の国で製造されたAKの派生形と容易に区別可能である。改良点は以下の通りである。 *M70の外見上の最大の特徴は、銃身とガスピストンシリンダーの間のガスバイバスに設けられた、発射ガス遮断装置兼用の起倒式ライフルグレネード照準器である。M70は銃口先端部にソケット式もしくはカップ式のグレネードランチャーを取り付けて、そこにセットしたグレネードを空包で発射することが可能である〔www.inert-ord.net 〕。ただし、M70B3とM70AB3ではこの機能が省略されている。 *ハンドガードがオリジナルのAKより若干前へ長くなり、上部および下部ハンドガードの間に設けられた冷却孔がSKSのように3つに増えている。この点も他国のAKと判別しやすい特徴のひとつである。 *木製固定銃床および金属製の折り畳み銃床は、AKMのような直銃床ではなく、AK-47に類似した角度を持つ、曲銃床である。木製固定銃床はオリジナルのものよりやや大型で、銃床内部にクリーニングキットを収納するスペースが設けられておらず、バットプレート(銃床底部)は金属製ではなくてゴム製である。 *木部に使われる材料は、合板ではなく、ブナを使用した単材である。 *初期生産型であるM70および、折り畳み銃床を備えたM70AはAK-47と同じく、レシーバは削り出し加工であった。その後、改良されたM70B1と折り畳み銃床型のM70AB2については、レシーバーの厚みがオリジナルAKMの1mmからRPK軽機関銃〔ユーゴスラビアにおいても、小改良を加えたうえでM72として国産化されている。〕と同じ1.5mmに強化されており、薬室左右部分に突起部分が存在する。 *レシーバ上部のフィードカバーを外す際に押す、オープン・ボタンをロックするための機構を備えている。レシーバ後部の左側面に小型のボタンがあり、フィードカバーをレシーバ上部に収めてここを押すと、オープンボタンが戻る仕組みとなっている。そのため、フィードカバーにはこのボタンを設置するための欠き取りがある〔このフィードカバーは、オープンボタンのロック機構がないM72軽機関銃にも流用されている。〕。 *ピストルグリップ(握把)は黒色のプラスチック製であり、右手で握りやすい形(右利き用)になっている。 *スリング(負い紐)のバックルの形状がソ連製などのAKとは異なっており、銃本体への取り付け方法も異なる。 *スリングスイベル(負い紐環)の位置は、固定銃床型と折り畳み銃床型のいずれも同じで、前部がガスポート左側面、後部がレシーバ後部の左側面に設置されている。 *フロントサイト(照星)とリアサイト(照門)に折り畳み式の夜間サイトを装備。 *マガジン(弾倉)はソ連製AK-47 II型のマガジンに似た形状の金属製である。しかし、本銃のマガジンにある下部の2本のリブは、AK-47 II型のマガジンよりも短いため、判別が可能。 *マガジン・フォロアが太くなっている。全弾発射すると、ボルトがマガジン・フォロアに引っかかり、後退した状態で停止する。これによってマガジン内の弾薬を全て発射したことが一目で判るようになっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ツァスタバ M70」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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